廃線調査隊 山野線

山野線廃線調査 1

栗野〜稲葉崎〜湯之尾〜前目駅

肥薩線栗野駅
 かつては山野線の肥薩線側の起点駅だった栗野駅。山野線が現役で走っていた時の駅舎のまま残っています。駅員は日勤で配置されています。一日数本の普通列車のみの運行にしては駅舎が大きすぎるように見えますが、かつては山野線との分岐の駅として栄えたのでしょう。

1番線は山野線ホーム
 栗野駅のホームは、1番線〜3番線まであります。1番線は山野線用として使用されていたのですがいまは旅客用には使用されていません。保守用車の引き込み線として使われているようです。廃止後10年以上も経っているのに、いまにも列車が来そうです。ちなみに山野線は写真の奥の方に進んでいました。

線路の先は・・・
 山野線は栗野駅を出ると、肥薩線からすぐ別れ右の方に進んで一気に南から北西の方向に進んでいた。写真の右の線路が山野線当時の線路の様ですが、すでに駅構内で線路はとぎれているのが分かります。その先は道路に変化していました。
(栗野駅の跨線橋から鹿児島方向を望む)

線路でモニュメント
 栗野駅を出ると山野線跡は道路に転用されています。そのわきに線路で作ったモニュメントを発見!「山野線跡地」と書かれていました。それもなんと、線路を並べて記してあるのです。山野線の線路を利用したものと思われます。

 道路転用はすぐに終わり廃線敷きが現れます。線路こそ残っていませんが、現役当時の面影を残しています。いまは農道として使用されているようです。写真の奥の陸橋は山野線をオーバークロスするために用意された国道の跨線橋です。今となっては無用の産物となってしまいました。撤去するにしても、お金と時間がかかるのでそのまま残される例が全国各地にあります。
(栗野駅方向から稲葉崎駅方向を望む)

 山野線はこの先で川内川を越えていました。現在では、川内川にかかっていた橋梁は撤去されていますが、その手前には築堤が続いている。その築堤には農道との鉄橋が未だに撤去されずに残されていた。
(栗野駅方向から稲葉崎駅方向を望む)

川内川を越えると、廃線跡はサイクリングロードになっていた。廃線跡のお決まりの利用法である。
(稲葉崎駅方向から栗野駅方向を望む)

稲葉崎駅跡
 ここは栗野駅を出て一つ目の駅、稲葉崎駅があったところである。駅があったことを示すものは一切ないので見逃すところだった。サイクリングロードはこの先で工事中であった。
(栗野駅方向を望む)

はえたたき!
 サイクリングロードの工事区間の先には、廃線敷きが残っていました。線路を撤去したままのすがたで。それも架線柱もそのまま残されていました。この架線柱は別名はえたたきとも呼ばれていました。
(稲葉崎駅から湯之尾駅方向を望む)

湯之尾駅
 残っていました、湯之尾駅。公園化されてホーム、線路が残っていました。数年前までは腕木式信号機が残っていたそうですが、いまは無くなっていました。ここから再びサイクリングロードが復活しました。どうやら、稲葉崎駅から湯之尾駅までもサイクリングロードとして整備中のようです。
(前目駅方向を望む)

勾配票だけが何故???
 サイクリングロードは途中から道路に変わりました。前目駅跡を探していると、ななんと勾配票が残っているではないですか。あたりはすっかり廃線敷きかどうかわからないくらいに整備されているのに何故勾配票だけが残っているのでしょうか?ちょっと大発見しました。廃線好きの人が故意に残したのかな?

前目駅跡
 前目駅跡は何も残っていませんでした。はっきり言って畑の真ん中にぽつんとあった駅のようです。右の民家の玄関先には何故か郵便ポストが、それにその脇のNTTの電柱には「前目駅引込」の文字が。やはりここが駅前だった証拠じゃないですかね。

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