廃線調査隊 狩勝線
根室本線・落合駅 狩勝峠越えの出発駅、落合駅。当時はこの駅で蒸気機関車の補機が控え、狩勝峠越えの重要な駅でしたが、本線を石勝線に譲ってしまった現在は無人駅であるが、2面3線の立派な構内で引き上げ線もある。 新得方の引き上げ線は旧線の廃線跡をたどっているがその先で車止めにぶつかる。その先に川があるが橋脚などは残っていなかった。落合駅から信号所までの区間は、国道と廃線の間に川が流れているため近づくことができない。「廃線跡を歩く」によると、この区間には、いくつかの橋脚の跡があるそうであるが、発見できなかった。 国道を進めると、左手方向に降りて行く道を発見!これはと思い迷い無く進入、しかしすぐに川にぶつかるが、対岸に続く道を発見し、強行進入。水深20センチの川を難なく渡りきる。 写真はその道と廃線の合流付近から狩勝信号所方を見たものである。 ここから廃線跡は道路として転用されている。信号所までは、築堤上を廃線跡は走っている。 築堤上の廃線跡を進めると、大きく広がる空き地を発見。はっきり言って一般人が見れば単なる草むらであるが、まさしくも、そこが狩勝信号所の跡地なのである。ここは、スイッチバックの信号所のため引き上げ線などの線路がいくつかあったそうです。 左の写真は、信号所から落合方向に延びる廃線跡。写真の右側には落合方の引き上げ線の跡もあった。 写真は、狩勝信号所の落合方の全景である。左方向に落合方の廃線跡と上方向の森の方に落合方の引き上げ線が残っていた。 この写真は、国道の上から撮った写真です。注意深く見ないとここに廃線跡があるのは分かりづらい。 写真は狩勝信号所の隧道側の全景である。信号所の新得側には狩勝隧道があり、スイッチバックの引き上げ線があった。現在もその跡はくっきりと残っている。 狩勝線はここでトンネルを通り十勝平野側へ抜けていた。 信号所の先にトンネルの入口発見。これが狩勝隧道である。前文で記したとおり、難工事の末に完成した。このトンネルは湧水が多く、現在はトンネル内部が崩壊しており通り抜けることはできない。湧水は現在も多いらしくトンネルからは水が流れ出し、入口付近は湿地となっており足場がわるい。おかげで靴が泥まみれになったのは言うまでもない。 トンネルの入口は木の格子と緑のシートで覆われていた。しかし、シートは一部破れていた この狩勝信号所は、標高534.3mの狩勝峠に位置していた。ここには、信号所はもとより保線関係者の住居が8件ほどあり、峠の鉄道を守る重要な拠点であった。信号所に残された多数の住居の痕跡などから、この峠越えの線路保守の為に、いかに多くの労力を必要としここが重要な路線であったのかがうかがい知ることができた。 熊の足跡!!!
私たちは国道を狩勝峠に向けて進めるが、左手川向こうに電線のない電柱が等間隔で建っているのを確認する。たぶんそこが廃線跡だと想像した。
そんな無謀な運転の成果か、廃線に運良くたどり着く。どうやらこの道?は狩勝信号所跡地付近に行く道となっているようである。
ちなみにこの信号所のいたるところに、熊らしき足跡を発見しぞっとしました。ここは着実に自然に戻っている証拠であることは言うまでもない。北海道の廃線跡巡りは単独行動をとらず複数で行動が望ましい。ちなみに私は熊除けのため鈴を常時携帯していました。