おがえもん廃線研究所 緊急取材

取材日時 2011年8月5日

宮城県・岩手県 三陸沿岸東日本大震災鉄道被害の現状

ローカル線の復旧は必要なのか?

 三陸鉄道の復旧には最低でも100億円かかると言われています。自力での復旧は無理で国や地方自治体に支援を求めています。

 年間の赤字が1億円出ている鉄道をお金をかけて復旧する必要性はどうなのか。

 地域復興のシンボルとしてまずは鉄道復旧をという意見も理解できます。

 しかし、鉄道の恩恵を受けるのは一部住民だけなのも事実です。

 バスの方がこまめにバス停を設置できコストも少なくて済み便利なのです。

 しかし、鉄道の駅が町にあるかどうかでその町の価値が変わってきます。

 町は駅を中心に発展します。

 その中心を失うことがどれだけの損失かは計り知れません。

 私は今まで廃線を辿って駅を失った町の現実を見てきました。

 単に損得で判断できない問題です。

 三陸鉄道は3年かけて復活する計画を推進していますが資金の確保は棚上げ状態です。

 マスコミ等で報道されるのは三陸鉄道の話題ばかりですが、実際のところJR線の被害状況の方が尋常ではなく、数10キロにわたり被害が出ています。

 試算では1000億円はかかるとか。

 町の移転による新ルート建設では更に増えるとも言われております。

 鉄道の復旧は一企業の判断でなく国や地域をあげて取り組んでもらいたいものです。

今回の調査を終えて

 実際に自分の目で見た率直な感想はなんと言っていいのか言葉を失う状況でした。

 そして、津波の被害は想像をはるかに超えるものでした。

 テレビや新聞などで伝えられるものと実際に自分の目で見るのはこんなにも違うのかと思い知らされました。

 今回の調査は記録は鉄道に限って撮影してきました。

 被災地の状況を全て記録したものではありません。

 私が記録した部分はその一部であり実際にはこの何倍もの被害が出ています。

 これを読んでいる皆さんも機会がありましたら現地へ行き、自分の目で確かめて見て欲しいと思います。

 そして、何でも自粛をしないで欲しいと思います。今の日本を復興させるのは被害を受けなかった人たちが元気になることであり、それが被災者の励みになり元気にもつながります。

 みんなで力を合わせてがんばりましょう。

 それにしても原発の事故さえなければ・・・と思うのは私だけでしょうか。

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