おがえもん廃線研究所

国鉄根北線
現地調査 Part1
斜里駅〜越川駅

斜里駅(知床斜里駅)

 根北線の始発駅、斜里駅、数年前に知床斜里と名称を変更しました。

 多分駅舎は廃止後に新設された物だと思います。何しろ廃止から31年の年月が過ぎてますから。

 ホームから釧路方面を見ると線路一本分の空き地があります。ここが根北線の跡のようです。200mぐらい進んだところで釧網本線は右に進み根北線はそのまま直進しています。踏切を過ぎると廃線跡は道路になっています。

初の構造物発見!

 道路の先は民家になっておりその裏手の水路に橋台を発見!根北線初の遺構を発見しました。両岸に残っているのですがどちらも民家の庭先にあります。この先少しの区間ではありますが築堤が残っています。

この盛り上がりは?

 根北線は斜里市街を抜けていました。当時はそんなに民家は無かったと思われますがいまは廃線跡は払い下げられ、そのほとんどが民家になっています。

 道路にある歩道が盛り上がっているところを発見しました。昔の地図と照らし合わせるとまさに廃線跡なのです。意外な発見でした。

トラクター展示台?

 斜里市街のはずれにある農作業機器整備工場の片隅に不自然なコンクリートの台を発見?トラクター展示台かと思いきや、まさにこれは根北線の函きょのようです。ここから先の区間は畑に戻っており廃線跡を確認することは不可能です。

写真中央部に駅舎はあった

以久科駅

 数年前までは駅舎と官舎が残っていたそうですが、全て取り壊されたようです。しかし駅につながる通じる道路跡(廃道)が残されていました。畑の脇にはバラストと思われる砂利が集められていました。

駅へ通じる道路の跡
根北線のバラストか?

下越川駅

 面影は一切ありません。畑に完全に戻っています。

越川駅

 根北線終点の越川駅、ここも一切面影はありません。

路盤跡復活

 越川駅から先は未成線区間になります。越川駅から先の森の中に路盤跡を発見!この先には根北線最大の遺構が残されています。

巨大コンクリート
 アーチ橋出現!
 越川駅の先には、大きなコンクリートアーチ橋が残されています。この橋は一度も列車が通る事はありませんでした。
 このアーチ橋は、第一幾品川橋梁といいます。戦前に突貫工事で建設されたそうです。鉄不足の為、鉄を一切使わず建設され、鉄の代わりに竹を使った竹筋になっているとも言われています。建設当時、作業員は朝鮮から強制労働者を使い過酷な労働を強いられたそうです。建設中に倒れた作業員の遺体をコンクリートの中に入れて作られたとも言われ、人柱伝説もあります。真相は分かりませんが・・・。
 橋梁は本来は10連のアーチ橋から連なる橋でしたが、国道の拡張工事の際に2連アーチが撤去されたので分割された形で残されています。
 国鉄清算事業団ではこの橋梁を撤去する予定でしたが、地元斜里町が保存の意向をを示したため解体を免れました。その後、国の文化庁による登録有形文化財に指定されました。

ひびが入っている

鉄筋が全く入っていない

終わりに

 根北線は私の生まれる1ヶ月前に廃線となりました。私にとっては意味深い廃線の一つでした。30年経ってる割りには遺構があったのは嬉しかったです。 

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