おがえもん廃線研究所

調査時期 平成13年10月 

北海道・道東
国鉄白糠線
Shiranuka Line
廃止年月日 昭和58年10月23日
白糠〜北進 33.1km  北進〜足寄未成線区間 約43km

白糠線とは

 白糠線とは根室本線の白糠から茶路川沿いに北へ進んでいた33.1kmの路線でした。昭和39年(1964)10月7日に白糠〜上茶路が開業、昭和47年(1972)9月8日に上茶路〜北進間が開業しました。白糠線は元々、池北線の足寄まで延伸する予定でした。

 沿線にあった上茶路炭坑からの石炭輸送と森林開発を目的として運転されていましたが、開業数年後の昭和45年(1970)に上茶路炭坑は閉山してしまい沿線の貨物輸送は絶望的なものとなり更に旅客の減少により営業係数が日本一高い路線になってしまいました。北進〜足寄間延伸の計画は中止され、赤字ローカル線のトップを切って、昭和58年(1983)10月23日をもって廃止されました。北進延伸から11年で廃止となる短命の路線となってしまいました。

 終点の北進駅は元々は釧路二股という名称となるはずでしたが、地元住民がここから先への延伸を願い、北へ進むから北進と名付けたそうです。結局、北進から先へ列車は進むことは無く廃止されました。

 白糠線には別の使命もありました。札幌〜釧路への根室本線のバイパスルートとして、新得〜士幌〜足寄〜白糠を結ぶ予定でした。開通していれば現在よりも札幌〜釧路間の所要時分短縮が望めたでしょう。でも、道東最大の街、帯広を通らないなんてちょっと無謀な計画ですね。

 

廃止後の状況

 白糠線の廃線跡は他の廃線跡と違い橋梁などの施設のほとんどがそのまま残されています。他の廃線では施設の撤去が進んでいるのですが、国鉄再建法の下、トップを切って廃止された白糠線が残っているというのは意外でした。

 未成線区間の北進〜足寄間は足寄駅から4.2kmの区間は竣工しましたが開業せずに施設は放置されました。尚、未成線区間の施設は撤去がほぼ終了しました。国鉄清算事業団の文字の入った杭があちこちに残されていますので未成線区間も調査も容易に行えます。

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